マーケティング論2026/08/283分で読める

私、コンサルやめます

数年間、事業戦略やマーケティング施策を提案し続けました。しかし、お客様は動かず、別の会社が近いことを実行して成功しました。そこで初めて、提案の正しさと顧客の成功は別だと気づきました。

脱コンサル実行支援成果報酬
提案から共同実行へ渡る橋をつくる二人の支援者と事業者を表したキービジュアル
Visual: Generated for Makemani

脱コンサル・脱マーケティング。 提案では、実は変わりません。 実行までして初めて、実質が変わります。

このことを強く感じたのは、あるお客様と数年間仕事をしたときでした。

数年間、提案を続けたお客様

そのお客様とは、毎週のように打ち合わせをしていました。 私は事業の構造を見ながら、この先に業界がどう変わるかを考え、進むべき方向を提案していました。

従来のビジネスモデルは、このままでは続かなくなる。 次にどのような事業へ移るべきか、そのために何から始めるかまで説明しました。 広告やコンテンツについても、何を発信し、どの方向へ進むべきかを提案し続けました。

当時、ほかの業界では、情報を載せて待つだけの仕組みから、人や企業を具体的につなぐ仕組みへの移行が進んでいました。 しかし、そのお客様の業界では、同じ方法をそのまま選ぶことができませんでした。 だから、制度に触れない別の事業構造をどうつくるかまで考えました。 既存の事業からどこへ移り、最初にどの機能をつくるのか。 そこまで具体的に話したつもりでした。

しかし、お客様は決めませんでした。 動きませんでした。 その後、別の会社が近い方向へ進み、大きな成果を出しました。

私は「やはり見立ては間違っていなかった」と思いました。 でも、それで終わってはいけなかったんです。

「私は間違っていなかった」とは言えても、「お客様を成功させた」とは言えなかった。

私に残ったのは、この事実でした。 私の能力不足も当然あります。 お客様が決められるところまで提案を具体化できていなかったのかもしれません。 実行するときに何が止まるかを先に見つけ、そこまで一緒に解決できていなかったのかもしれません。

問題は、お客様が決めなかったことだけではない

最終的に決断するのはお客様です。 外部の人間が勝手に事業を変えることはできません。 ただ、問題はお客様が決めなかったことだけではなく、そこに対する私たちのスタンスにもありました。

私は提案をして、判断材料を渡すところまでを自分の仕事だと考えていました。 その先はお客様が決めることだと、どこかで線を引いていました。

お客様が決められないなら、なぜ決められないのかを一緒に考える。 動き始めて止まったなら、どこで止まったのかを一緒に見る。 やってみて違ったなら、提案した側も一緒に直す。 そこまでやらなければ、お客様の事業は変わりません。 「分かっている」と「できている」の差は、提案と実行の間でも起きます。

多くのコンサルティング契約では、時間や作業に対して報酬が発生します。 それ自体が間違っているわけではありません。 しかし、その契約の中では、顧客の成功よりも契約の継続に意識が寄る危険があります。 会議をする、資料をつくる、施策を動かす。 その時間に対して売上が立つなら、成果につながらない仕事でも短期的には報酬を受け取れます。

お客様の成功と、自分たちが潤う条件が一致していない。 実行支援を掲げていても、同じ船に乗れていないことがあります。

同じ机で事業の仕組みを一緒に動かす顧客と支援者
提案を渡して終わるのではなく、顧客と支援者が同じ作業に手をかけます。

同じ船に乗るために

理想だけを言えば、PEファンドのように自分たちも大きく出資し、一緒に事業を育てる方法があるのかもしれません。 しかし、すべての会社に出資できるわけではありませんし、その形が合わない事業もあります。

この経験から、実行支援と名乗るだけでは足りないと考えるようになりました。 仕事の進め方だけでなく、契約の形まで変えなければ、同じ船には乗れないからです。 そこで今は、月額5万円と成果報酬を組み合わせています。 何を成果とするか、いくらにするかは、事業ごとに決めています。 なぜ完全成果報酬にせず月額5万円を残しているのかは、次の記事で詳しく書きます。

もちろん、契約を変えただけで成功できるわけではありません。 戦略を決め、実行し、結果を見て、さらに改善するところまで一緒にやる必要があります。 提案した側も現場に入り、止まった理由を見つけ、結果が出るまで修正を重ねる。 お客様だけに決断と実行を残さないことが、私たちの仕事だと考えています。

戦略を提案して終わる仕事から外れる。 広告やSEOでリードを取って終わる仕事から外れる。 これが、私たちの「脱コンサル・脱マーケティング」です。

自社の問題が広告やSEOにあるのか、それとも別のところにあるのかを整理したい方は、事業会社向けのマケマニ診断をご覧ください。

次の記事では、月額5万円を残し、成果報酬を組み合わせた理由をお話しします。 その次に、なぜ私たちが「脱マーケティング」と言うのかを書きます。 施策から話を始めると、本当の問題を見落とす理由は、こちらの記事でも書いています。

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