組織・評価2026/05/3015分で読める

なぜ自社のマーケティング担当者はすぐ会社を辞めるのか

マーケティング担当者の離職を、採用ミスマッチではなく評価制度の問題として捉え直します。営業職の評価を流用せず、職位、施策、時間軸、外部市場価値に合わせて評価する考え方を解説します。

マーケティング人材人事評価組織設計マーケティング診断インタビュー

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マーケティング担当者の評価制度と離職リスクを表す抽象キービジュアル
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マーケティング担当者を採用したのに、すぐ辞めてしまう。

この相談を受けることがあります。

会社側は、採用の問題として捉えがちです。「スキルが足りなかった」「主体性がなかった」「自社の商材理解が浅かった」「マーケティング人材は採用が難しい」。もちろん、採用ミスマッチが原因のこともあります。

ただ、HappyMarketing代表の友貞ファラ洋輔は、これまで多くの企業のマーケティング支援に入る中で、別の原因を見てきたと言います。

それは、マーケティング担当者の人事評価が、マーケティングの仕事に合っていないこと。

特に多いのは、営業職や既存事業を前提にした評価制度を、そのままマーケティング担当者に当てはめているケースです。

営業とマーケティングでは、成果が出るまでの構造が違います。既存事業の改善と新規施策の立ち上げでも、評価すべきポイントは違います。広告運用、SEO、コンテンツ、CRM、ブランディングなど、施策によっても成果が見えるまでの時間は違います。

それにもかかわらず、すべてを「売上」「問い合わせ数」「リード数」「CPA」だけで評価すると、マーケティング担当者は正しく評価されません。

さらに、外部市場との比較もあります。

広告代理店やフリーランスであれば、広告運用額に対して一定の手数料を受け取るモデルがあります。成果報酬やアフィリエイトのように、成果に連動して報酬が発生する契約もあります。

一方で、自社のマーケティング担当者は、固定給で、給与水準も高くない。成果が出ても営業の成果として扱われ、マーケティングは広告費や制作費を使うコスト部門として見られる。

この状態では、実務力のある担当者ほど外部市場と比較します。

なぜ、マーケティング担当者は辞めてしまうのか。どう評価すれば、定着し、成長し、事業に貢献できるのか。

友貞に聞きました。

マーケティング担当者が辞める会社では、何が起きていますか?

友貞: 一番多いのは、マーケティング担当者の評価を一つの物差しで見てしまっていることです。

会社としては、マーケティング部門に売上貢献を求めます。これは当然です。

リードを増やしてほしい。商談を増やしてほしい。広告費を効率化してほしい。営業以外の獲得チャネルを作ってほしい。新しい顧客層を開拓してほしい。

期待自体は間違っていません。

ただ、それをそのまま一人の担当者の評価に落とし込むと、かなり乱暴になります。

マーケティングの成果は、担当者一人で完結しません。

商品力、価格、営業の追客、商談対応、提案資料、競合状況、顧客体験など、複数の要素が関係します。

にもかかわらず、個人評価で「売上が出ていない」「受注につながっていない」と見てしまう。

特にジュニアクラスに対して、それをやるとかなりきついです。

ジュニアクラスに必要なのは、売上責任を持たせることではなく、成果につながる行動を身につけさせることです。

顧客を調べたか。過去データを見たか。施策の目的を理解したか。決められた期限で実行したか。営業に確認したか。結果を記録したか。改善案を出したか。次のアクションにつなげたか。

こうした行動を評価しないと、若手は何を頑張ればよいか分からなくなります。

部門としての評価と、個人としての評価は分ける必要があります。

部門評価と個人評価は、どう分けるべきですか?

マーケティング担当者の評価を、部門成果、個人行動、外部市場価値に分けて見る
マーケティング担当者の評価は、部門成果と個人がコントロールできる行動、さらに外部市場でのスキル価値を分けて設計する必要があります。

友貞: マーケティング部門として見るべきものと、スタッフ個人として見るべきものは違います。

部門としては、事業成果を見ます。

売上貢献。商談数。商談化率。受注率。粗利。LTV。新規顧客獲得。既存顧客のアップセル。営業効率の改善。

これは部門評価として見るべきです。

ただし、個人評価では、その人がコントロールできる範囲を見る必要があります。

広告担当であれば、広告の配信設計、仮説設定、クリエイティブ改善、LP改善提案、レポート、検証回数を見る。

コンテンツ担当であれば、記事本数だけでなく、顧客理解、テーマ設計、営業資料への転用、検索流入、問い合わせへの貢献を見る。

CRM担当であれば、配信設計、セグメント、ナーチャリング、休眠リードの掘り起こし、営業への連携を見る。

部門の売上目標を、そのままスタッフ個人に背負わせるのは危険です。

本人に予算権限がない。営業への指示権限がない。商品改善への権限がない。価格を変える権限もない。

それなのに売上責任だけ負わせる。

これは評価制度として不健全です。

ジュニアクラスほど、行動評価を中心にすべき理由は何ですか?

友貞: ジュニアクラスは、まだ成果を一人で設計できる段階ではないことが多いからです。

もちろん、成果を意識することは必要です。

ただ、最初から「売上を作れ」「商談を増やせ」「CPAを下げろ」とだけ言っても、評価としては粗すぎます。

ジュニアに必要なのは、成果が出るための基本行動を習慣化することです。

たとえば、次のような行動です。

施策の目的を確認する。ターゲットを調べる。過去の実績を見る。仮説を立てる。期日通りに実行する。結果を記録する。営業や上長に確認する。改善案を出す。次のアクションを提案する。

こうした行動を評価しないと、ジュニアは育ちません。

逆に、ジュニアを短期成果だけで評価すると、数字が見えやすい作業に寄ります。

広告の管理画面だけを見る。SNSの投稿本数だけを増やす。すぐCVしそうな訴求だけ使う。顧客理解や検証記録を後回しにする。

これでは、マーケティング人材として育ちにくい。

ジュニアは行動評価を中心にする。ミドルは行動に加えて、担当施策の成果や改善提案を見る。マネージャー以上は、部門成果、施策設計、予算配分、営業連携、事業貢献まで見る。

この分け方が必要です。

新規施策と既存改善でも、評価は分けるべきですか?

友貞: 分けるべきです。

既存改善と新規施策では、評価の前提が違います。

既存改善には、過去データがあります。

広告の過去実績がある。LPのCVRが分かっている。営業の商談化率が分かっている。問い合わせ経路が分かっている。既存顧客の傾向がある。

この場合は、改善成果を比較的見やすいです。

CPAが下がったか。CVRが上がったか。商談化率が改善したか。受注率が改善したか。既存施策の効率が上がったか。

一方で、新規施策は違います。

新しいターゲットを試す。新しい訴求を試す。新しい媒体を試す。新しいコンテンツを作る。ウェビナーを始める。CRMやナーチャリングを設計する。新しい市場に対してリード獲得を行う。

この段階では、最初から売上成果が出るとは限りません。

むしろ、初期に見るべきなのは「学習できたか」です。

ターゲットの反応はあったか。想定した課題は合っていたか。どの訴求に反応したか。商談化しない理由は何だったか。次に継続するべきか、やめるべきか。改善するなら、どこを変えるべきか。

新規施策を既存改善と同じ基準で評価すると、ほとんどの新規施策は不利になります。

そうなると、誰も新しいことをやらなくなります。

施策によって、結果が出るまでの時間も違いますよね

友貞: 大きく違います。

マーケティング施策には、結果が出やすいものと、出にくいものがあります。

たとえば広告やLP改善は、比較的短期で変化が見えやすいです。

クリック率、CVR、CPA、問い合わせ数、フォーム通過率。

商材にもよりますが、数週間から数カ月で変化が見えることがあります。

一方で、コンテンツマーケティング、SEO、CRM、ナーチャリング、ブランド施策、顧客事例、ウェビナー、コミュニティづくりなどは、結果が出るまでに時間がかかります。

ここで問題になるのが評価です。

結果が出やすい施策の担当者だけが評価され、結果が出にくい施策の担当者が評価されにくい。

これは避けなければいけません。

もちろん、広告だけで十分に売上が作れるなら、それでよい場合もあります。短期獲得施策だけで売上目標を達成できる。営業の紹介だけで成長できる。既存顧客だけで十分に伸びる。そのような会社であれば、中長期施策に大きく投資しない判断もあります。

ただ、現実にはそれだけでは足りない会社が多い。

広告のCPAが上がっている。紹介だけでは成長しない。展示会頼みでは限界がある。既存顧客だけでは伸びない。新しい顧客接点を作る必要がある。リードを育成する仕組みが必要になる。ブランドや信頼形成が必要になる。

この場合、結果が出るまで時間のかかる施策もやらなければいけません。

会社として必要だからやると決めた施策であれば、その担当者を短期売上だけで評価してはいけません。

先行指標、行動指標、資産化の進捗で評価する必要があります。

施策ごとに、評価の物差しを変える必要があるということですか?

友貞: そうです。

広告、LP改善、SEO、コンテンツ、CRM、ウェビナー、展示会、SNS、PR、顧客事例。これらを全部「売上に何件つながったか」だけで見ると、評価が歪みます。

評価は、少なくとも3つに分けるべきです。

1つ目は、結果指標です。

売上、受注、商談数、商談化率、受注率、CPA、CVR、粗利、LTV。これは最終的に見るべき数字です。

2つ目は、先行指標です。

ターゲットリード数、有効商談数、営業が追うべきリード数、メール開封率、ウェビナー参加率、資料ダウンロード後の反応、検索順位、指名検索数、再訪率、ナーチャリング対象の進捗、営業資料の利用回数、顧客事例の商談活用数。

すぐ売上にならなくても、将来の成果につながる兆候を見る指標です。

3つ目は、行動指標です。

顧客ヒアリングを行ったか。仮説を立てたか。施策を実行したか。検証結果を記録したか。営業とすり合わせたか。失注理由を確認したか。改善案を出したか。次のアクションを決めたか。

特に新規施策やジュニア担当者は、行動指標が重要です。

評価制度では、担当施策ごとに「結果指標」「先行指標」「行動指標」の比重を変える必要があります。

外部市場との比較も必要ですか?

友貞: 必要です。

マーケティング担当者の評価や報酬を考えるときに、社内だけで見ている会社が多いです。

自社の給与テーブルではこのくらい。同じ等級の社員と比べるとこのくらい。営業職と比べるとこのくらい。管理部門と比べるとこのくらい。

社内公平性は大事です。

ただ、マーケティング職の場合は、社外の市場価格も見ないといけません。

なぜなら、マーケティングスキルは比較的ユニバーサルだからです。

広告運用、SEO、SNS、LP改善、CRM、コンテンツ、MA、アクセス解析、リード獲得、ナーチャリング。

これらのスキルは、自社だけでしか使えないものではありません。

他社でも使えます。副業でも使えます。フリーランスでも使えます。代理店側でも使えます。

つまり、本人から見ると選択肢が多い職種です。

この点は営業職と少し違います。

営業は、業界知識、既存顧客との関係、商材理解、社内調整、過去の商談履歴など、会社固有の資産と結びつきやすい。

もちろん営業職も転職できますが、マーケティング職は横展開しやすいスキルが多い。

だから、自社の評価や給与が外部市場と大きくズレていると、当然離職しやすくなります。

広告代理店やフリーランスと比較すると、何が見えてきますか?

友貞: たとえば広告運用です。

広告代理店やフリーランスでは、運用額に対して10〜20%程度の運用手数料を設定するモデルがあります。成果報酬やアフィリエイトのように、成果に対して報酬が発生する契約もあります。

もちろん、すべての案件が高単価というわけではありません。フリーランスには営業リスクもあります。代理店には納品責任や人件費もあります。

ただ、同じような業務をしているにもかかわらず、外部では運用手数料や成果報酬で評価される。

一方で、自社のマーケティング担当者は固定給で、給与水準も高くない。成果が出ても給与や役割に反映されない。

この状態だと、本人は当然比較します。

自分が社内でやっている広告運用は、外に出ればもっと高く評価されるのではないか。自社ではコスト扱いされているが、代理店なら売上を作る業務として扱われるのではないか。成果が出ても給与に反映されないなら、外部案件を受けた方がよいのではないか。

こう考えるのは自然です。

会社側は、マーケティング担当者を社内人材として見ています。

しかし本人は、外部市場とも比較しています。

ここにズレがあります。

給与が高ければよい、という話ですか?

友貞: そうではありません。

事業会社マーケターには、事業会社ならではの良さがあります。

自社の商品やサービスに深く関われる。営業や開発、カスタマーサクセスと近い距離で働ける。顧客データを継続的に見られる。短期施策だけでなく、ブランドやCRM、プロダクト改善にも関われる。施策の結果が、事業全体にどう影響したかを見られる。中長期でマーケティング資産を作れる。

これは、フリーランスや代理店では得にくい経験です。

問題は、実際の業務設計がそうなっていない会社です。

広告運用だけを任される。SNS投稿だけを任される。資料作成だけを任される。営業支援だけを任される。意思決定には入れない。予算権限はない。商品改善にも入れない。成果が出ても評価されない。

この状態で給与も低ければ、事業会社に残る理由は弱くなります。

つまり問題は、給与水準だけではありません。

事業会社で働く意味が、業務設計と評価制度の中にあるかです。

診断設問にするなら、どう聞くべきですか?

友貞: 私はこう聞きます。

マーケティング担当者の人事評価は、部門評価と個人評価を分けたうえで、職位、担当施策、新規施策か既存改善か、成果が出るまでの時間軸、さらに外部市場でのスキル価値と比較して設計されていますか?

この設問で見たいのは、評価制度があるかどうかではありません。

多くの会社には評価制度自体はあります。

問題は、その評価制度がマーケティングの実態に合っているかです。

部門の売上目標を、そのまま個人評価にしていないか。ジュニアには行動評価を中心にしているか。新規施策と既存改善を同じ基準で評価していないか。結果が出やすい施策だけが高く評価される設計になっていないか。中長期施策の担当者が不利になっていないか。営業にはインセンティブがあるのに、マーケティングには還元がない状態になっていないか。代理店やフリーランスに依頼した場合の外部単価と、自社の給与・評価が極端にズレていないか。事業会社で働く意味が、給与以外の経験や裁量として設計されているか。

ここを確認します。

点数化するなら、どのように評価しますか?

友貞: 5段階で見るのが分かりやすいです。

ただし、この設問は単純に「制度があるかどうか」を見るものではありません。

見るべきなのは、マーケティングの仕事の実態に合わせて、評価がどこまで分解されているかです。

5点:マーケティング評価が職位・施策・時間軸・外部市場まで含めて設計されている

5点は、かなり良い状態です。

部門評価と個人評価が分かれている。ジュニア、ミドル、マネージャーで評価基準が分かれている。新規施策と既存改善で評価項目が違う。短期施策と中長期施策で、結果指標、先行指標、行動指標の比重が違う。中長期施策の担当者が不利にならない設計になっている。

マーケティング担当者の給与や評価が、社内等級だけでなく、代理店、フリーランス、副業市場など外部市場とも比較されている。成果が出た場合は、昇給、賞与、役割拡大、権限付与などに反映される。事業会社で働く意味として、商品改善、顧客理解、営業連携、経営接続、ブランド構築などに関われる。

この状態なら、マーケティング担当者は何をすれば評価されるかを理解できます。

また、会社としても、短期売上だけではなく、将来の売上を作る活動を管理できます。

4点:基本設計はあるが、一部に偏りが残っている

4点は、かなり整っている状態です。

部門評価と個人評価はある程度分かれている。職位ごとの評価もある。新規施策や中長期施策も一定程度評価されている。行動指標や先行指標も設定されている。

ただし、一部に弱さがあります。

外部市場との比較が不十分。中長期施策の評価がまだ曖昧。営業インセンティブとのバランスが取れていない。成果が出たときの還元が弱い。ジュニアの行動評価がやや不足している。施策ごとの評価基準が完全には分かれていない。

制度としては前に進んでいますが、運用面で改善余地がある状態です。

3点:KPIはあるが、短期成果や既存事業に偏っている

3点は、多くの会社が入りやすい状態です。

マーケティング担当者にKPIはある。リード数、問い合わせ数、CPA、CVRなどは見ている。部門として売上貢献も見ている。

ただし、評価が短期成果や既存事業貢献に偏っています。

新規施策の仮説検証は評価されにくい。ジュニアも成果指標で見られがち。中長期施策の担当者が不利になりやすい。コンテンツ、CRM、SEO、顧客事例などの資産化が評価されにくい。外部市場との報酬比較もあまりされていない。

この状態では、短期で数字が見えやすい担当者は評価されますが、会社として必要な中長期施策を担う人が評価されにくくなります。

2点:評価基準はあるが、営業職や既存事業の評価をほぼ流用している

2点は、危険な状態です。

マーケティング担当者の評価はあるが、実質的には営業職や既存事業の評価を流用している。

売上、問い合わせ数、リード数、CPA、今月の成果。このあたりだけで評価している状態です。

部門評価と個人評価が分かれていない。ジュニアにも売上責任を強く求めている。新規施策と既存改善を同じ基準で見ている。短期施策と中長期施策を同じ物差しで評価している。外部市場と比較して、自社の評価や給与が妥当かを見ていない。マーケティング予算を投資ではなくコストとして見ている。

この状態では、担当者は合理的に短期成果が出やすい施策だけを選びます。

中長期施策や新規施策は避けられます。

1点:役割・権限・評価基準が曖昧で、上司の主観に依存している

1点は、かなり問題が大きい状態です。

マーケティング担当者の役割が曖昧。広告、SNS、資料作成、営業支援、展示会、社内調整などを幅広く任されている。評価基準は明確ではない。成果が出れば営業の成果として扱われる。成果が出なければマーケティングの責任になる。予算や権限はない。新規施策への挑戦は評価されない。マーケティングはコスト部門として扱われている。給与や評価は外部市場と比較されていない。評価者がマーケティング業務の中身を理解していない。

この状態では、実務力のある担当者ほど辞めます。

外部市場で評価されるスキルを持つ人ほど、社内に残る理由が弱くなります。

点数を見るときの注意点はありますか?

友貞: あります。

この設問では、売上やリード数が伸びているだけで高得点にしてはいけません。

たまたま広告が当たっている。既存事業が強い。営業が強い。紹介が多い。市場環境が良い。

そういう理由で数字が出ていることもあります。

評価制度が整っているかどうかは、別の話です。

見るべきなのは、次の点です。

部門評価と個人評価が分かれているか。職位ごとに評価基準が違うか。ジュニアは行動評価中心になっているか。新規施策と既存改善を分けているか。施策ごとの成果が出る時間軸を考慮しているか。結果指標だけでなく、先行指標や行動指標があるか。中長期施策の担当者が不利になっていないか。外部市場と比較して、報酬や裁量が妥当か。事業会社で働く意味が設計されているか。

この観点で見る必要があります。

現在地を確認するための質問はありますか?

友貞: あります。

点数をつける前に、次の質問を確認するとよいです。

マーケティング部門としての評価と、スタッフ個人の評価は分かれていますか。

ジュニア、ミドル、マネージャーで評価項目は変わっていますか。

ジュニアに対して、売上や受注ではなく、行動評価を中心にしていますか。

新規施策と既存改善で評価基準を分けていますか。

広告、LP改善、SEO、コンテンツ、CRM、ブランド施策など、施策ごとに成果が出る時間軸を考慮していますか。

結果が出やすい施策の担当者だけが評価される状態になっていませんか。

会社として必要な中長期施策の担当者が、短期売上だけで評価されていませんか。

営業にはインセンティブがある一方で、マーケティングには成果還元がない状態になっていませんか。

マーケティング予算を、コストではなく投資として管理していますか。

マーケティング担当者の給与や評価を、代理店、フリーランス、副業市場と比較していますか。

自社でマーケティングを担当することで、外部では得られない経験や裁量を提供できていますか。

この質問に答えると、自社の評価制度がマーケティングの実態に合っているかが見えてきます。

最後に、企業は何から見直すべきでしょうか?

友貞: まず、マーケティング担当者を一つの物差しで評価しないことです。

マーケティング部門としての評価。スタッフ個人の評価。ジュニア、ミドル、マネージャーの評価。新規施策と既存改善の評価。短期施策と中長期施策の評価。社内評価と外部市場価値の比較。

これを分けて設計する必要があります。

特に重要なのは、中長期施策の担当者が不利にならないことです。

会社として、SEO、コンテンツ、CRM、顧客事例、ナーチャリング、ブランド施策が必要だと判断したなら、それを担当する人を短期売上だけで評価してはいけません。

短期売上だけで評価するなら、誰もやりません。

逆に、行動指標、先行指標、資産化指標を設計すれば、結果が出るまで時間がかかる施策でも、正しく進捗を見られます。

また、外部市場との比較も必要です。

マーケティング職は、スキルを他社や副業、フリーランスで活かしやすい職種です。

自社の給与や評価が外部市場と大きくズレている。しかも社内でしか得られない経験や裁量もない。

この状態では、辞めるのは自然です。

マーケティング担当者が辞める会社では、担当者が悪いのではなく、評価制度が仕事の実態に合っていないことがあります。

採用を見直す前に、人事評価を見直すべきです。

マーケティングは、営業の延長ではありません。既存事業の売上だけを見る仕事でもありません。短期施策だけで成長できるなら、それでいい。しかし、それだけでは売上が足りないなら、中長期施策も必要になります。

そのとき、評価制度も中長期施策を評価できる設計に変えなければいけません。

マーケティング担当者を定着させたいなら、まず評価制度をマーケティング仕様にする必要があります。

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